Tips

 

ノーマライズ処理によるSNの向上


ノーマライズとは、露出時間が違う素材をコンポジットするときに、レンジを合わせる処理です。しかし、同じ露出時間で撮った画像でも、空の状態(雲や光害、月など)によって、実際には同じレンジにはなりません。よって必要不可欠な処理です。MaxImDLでは、コンポジットを指定するときに、オプションとしてノーマライズ処理が指定出来るようになっていますが、同じ処理をAutoStretchを使うと違いが出るのか、確かめてみました。


AutoStretch


AutoStretchは、カラーバランスを取るプログラムですが、フィルター係数をかけるまえに、ノーマライズ処理を行っているので、フィルター係数を全て1にすることにより、ノーマライズ処理を行わせることが出来ます。


カラー画像のノーマライズ時には、AutoStretchに専用のタグを作るといいですね。そして、RGBの各フィルターを1、1、1に、Offsetも0の方がいいのですが、今の仕様で0にはなりません。なので1。Alignは事前にすませ、CropもOFFにすることをお忘れ無く。あっ、もちろんStdDevです。これでないと意味がありませんので...







左側が、MaxImDLのノーマライズ処理をしてからメディアン合成をしたもの。右側が事前にAutoStretchでノーマライズしてから、MaxImDLでメディアン合成をしたものです。拡大して比較してみてください。


左:MaxImDLノーマライズ  右:AutoStretchノーマライズ



なんと! MaxImDLのノーマライズ処理よりもAutoStretchのノーマライズ処理の方が優れているという結果になりました! こりゃ~すごい結果です(笑)


続いて、各合成モードでの比較。こちらも拡大してじっくりご覧ください。



左列:MaxImDLノーマライズ  右列:AutoStretchノーマライズ



1段目: Average

ちなみに、MaxImDLのAverageモードには、ノーマライズオプションがありません。なので、これはノーマライズ無しとAutoStretchノーマライズとの比較になります。明らかにAutoStretchノーマライズの方がいいですね。


2段目: Median

これは前の例と同じ結果ですが、AutoStretchノーマライズの方が軌道線が消えています。この効果は大きいですね。


3段目: Sigmaclip

これもAutoStretchの勝利。ノイズ感は、Medianより良い感じですね。軌跡もAutoStretchノーマライズの方がより消えています。SigmaClipだと暗い軌跡が完全に消えて、明るい軌跡がシャープになってより目立つ感じです。この方が、軌跡がノイズに見えなくていいかも? Medianの方は軌跡がボーッとなり、ノイズと見間違えてしまうかもしれません。M42のコンポジット処理はこれでやってみようかと思います。



以上の結果をまとめると、AutoStretchノーマライズは、MaxImDLでも有効で、MaxImDLのノーマライズ処理よりも優れている。しかも、AutoStretchノーマライズをかけた方が、Median、SigimaClip共に、軌跡等が消えるということになります。これは、AutoStretchのノーマライズの精度が高いことを示していると思います。AutoStretchは、フィルター係数でスケーリングする前に、同じレンジになるようにストレッチをかけています。その精度が高いということですね。


ぜひ、みなさんも試してみてください。良い結果が得られると思います。