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 28week  2001/7/9 〜 7/14

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今週の仕事
7月9日(月)

今週11日から、会社を休んでバリ島に出かける予定。

それなのに、風邪をひいたようです。
昨晩から喉が痛い。このまま旅行に行くことを考えると気が重いです。昼頃からは頭も痛くなりだし、本格的。

午後、千葉テレビのCG制作で、打ち合わせに出かける。監督さんの車で、稲毛の穴川インターまで。国土交通省がここにあり、そこで打ち合わせの為です。


首都高速から

帰りは、東京へ向かう渋滞にはまり、帰社したのは、7時頃になってしまいました。

 

15:00
放芸さんで打ち合わせ
7月10日(火)

風邪がますますひどく...。 でも、明日からの休みの為、やらなければならない事は山積。分刻みのスケジュールです。午前中はまず見積もりを一つ書き...その後打ち合わせ。

午後は、Canonさんへ出かける。この体調で、暑いさなか出ていくのはとても辛い。本当に、「なんで?」っていう位暑い!日本の天気はどうなっているのでしょう。体温よりも外気温の方が高いんだから。

やっとのことでCanonさんへ着いた頃にはもうフラフラ。打ち合わせも、頭痛の為とてもつらい。

会社に帰ってからは、明日からの休みの準備で、いろいろ忙しかった。まず、月曜日に出来なかったスケジュール会議を行って留守にする間の伝達事項を伝え、その間の責任者を決める。自分がいない間のことは、ちょっと心配だけど、逆に普段やっていることを彼らが知るよいチャンスとも言える訳で、いいきっかけになれば...。

いよいよ、明日から19日まで、9日間の休みに入ります。
では。

 

11:00
加藤さん来社

14:00
Canonさんで打ち合わせ

 


プライベートで行ったバリ旅行のことを記したいと思います。今年は、デジカメとDVカメラを両方持っていきました。デジカメで1200枚位の写真を撮り、DVカメラでは60分テープで9本撮影というハードワーク。何しにいったの?という位、沢山のイメージを撮ってきました。ここでその一部を披露したいと思います。

PS.今週は前半です。後半は来週のページで。ちょっと重くなってしまいましたが、我慢してください。

 

 
7月11日(水)
1日目

風邪を早く治さなければならないのに、睡眠時間は3時間程度だろうか?5時半ごろに起きる。6時過ぎの電車で出発。こんなに早い時間の電車で通勤している人が沢山いる。ご苦労様。

7月を迎えた成田空港は、ものすごい混雑。8月のピークには想像できない位の人出になるんだろうな。8時半頃に到着したのに、搭乗ロビーに入ったのは10時を回っていた。飛行機の出発が11時なので、のんびりしている暇もない。また、混雑の為、飛行機の座席が2人並んでとれない。なんということだ。

昨年は、ウィングから直接乗れたのに、今年はバスで飛行機まで行かなければならない。どこに行くにも混雑している時はダメだなと感じる。


きれいに円形状に並んだ雲。巨大な円を描いていた。

離陸後の飛行は快適なもので、揺れもなく、思いの他早く時間が過ぎた。しかし、何度乗っても飛行機から見る南国の積乱雲はすごい。最上部の金床雲の造形なんか神の成せる技。なんで、みんな平然と座席に座っていられるのだろう。ぼくなんかずっと最後部の通路の窓にへばりつきっぱはなし。ずっと写真を撮りまくってました。

席が離れてしまったのは、アンラッキーだったけど、いいこともあって、7月からJALの国際線エコノミークラスにも、座席に液晶テレビが付くようになった。個別に映画やゲームなどを見ることができる。一番すごいのは、飛行機の中から通信衛星を使って電話がかけられること。しかも、クレジットカードが使える。ジャカルタを飛び立った夕暮れも迫る頃、試しに自宅の子供にかけてみた。

私:「もしもし」
娘:「あー、おとうさん」

通じるではないか!まったくすばらしい。その後、息子に代わる途中で切れてしまったけど、今の通信技術ってすごい。

そんなこんなで、いよいよバリ島・デンパサール空港に着いた。

夜の8時だ。羽田を飛び立ってから9時間が経過している。空港を出たところで、ツアーのガイドさんと落ち合う予定。実は、昨年僕らに付いてくれた現地ガイドの人(スアルタさん)を、今年も頼めないかと事前に旅行会社に言っておいた。「一応、伝えてみますけど確約はできません。」というのが向こうの返事。だから、あまり期待しないでそこに行った。

そしたら、居ました。スアルタさん。一年ぶりの再会です。
なんかすごーく感動。「お元気でしたか?」「お久しぶり!」もう、握手!握手!です。そして車に向かう途中で、昨年のドライバーのカデさんにも会ってしまった。僕らを覚えていてくれたようで、目が会うと、ニコニコしながら走って来てくれました。うれしいなー。この人、日本語しゃべれないんだよね。だから、もうニコニコするのがコミュニケーションになってる。本当にいい笑顔。「それじゃー」といって車に乗り込んで出発するまで、窓の外で見送ってくれました。あー、なんていいバリ島旅行のスタートだろう。


この時の写真じゃないんだけど、これがスアルタさん。

車の中で、スアルタさんとひとしきり話し終わった頃、この日宿泊するホテルのタンジュンサリに着く。このホテル、かなり地味なホテルなんだけど、渋い高級感があるホテルで、スタッフが皆最高。オノヨーコや、デビッドボーイ、最近ではデビー婦人も来たことがあるそうで、隠れた人気を誇っているところです。

チェックインのホテルフロントもいい感じなんですよ。かやぶきの屋根だけで外壁が無く、とってもおしゃれ。チェックインを済ませるとマネージャーのアグンさんが部屋まで案内してくれた。「昨年も来たんですよ。」と言うと、すごく喜んでくれた。とてもいい笑顔。なんでバリの人って笑顔の素敵な人が多いんだろう。

そんな感じで、とてもいいスタートが切れた1日目でした。
(でも風邪の為、頭痛が...)

 

7月12日(木)
2日目

朝、目覚めると、気管支の奥に、咳の塊がある。頭も痛い。首筋に鉛が詰まっているよう。ほんとだったら寝ているところだ。

しかし、朝一番からバロンダンスを見に行く予定が入っているので、そんな体に鞭打って出かけました。

昨年は、生まれて初めて外国に出たので、外人を見ると緊張してたけど、今年は割と余裕。片言の英語で、しゃべったりしてます。オーストラリアからの観光客も居て、いい感じのおばあさんが多い。僕がカメラのフードを、席に置き忘れたのを教えてくれました。「Who!Thank you」とバツが悪そうにしていたら、そのおばさん、フィルムケースを取り出して、「大丈夫、私もさっきこれを忘れたのよ。」と言ってくれました。不思議なのは、記憶に残っているそのおばさんがしゃべった言葉は日本語なんですね。英語なんてそんなにわからないのに...。人と人とのコミュニケーションって言葉じゃないんだね。

その後、ツアーのオプションで絵画を買いにウブド近くの村に。
実は同じツアー会社なので、昨年とまったく同じところに連れていかれました。昨年見た絵がそのまま残っていたりして、それはそれで、なつかくて良かったけれど、いい絵はあまりありなかった。そこで、スアルタさんに頼んで、もう少し別の所に連れていってもらう事にしました。

そしたら、あるじゃないですか!いい絵が。
彼に言わせると、ヨーロッパの人たちは、こっちの店でよく絵を買っていくそうです。日本人と感覚が違うんでしょうね。

画廊はかなり広く、沢山の絵が展示されている。中庭には、左の写真のように、何人もの人が座ってました。絵の梱包などをするようなのだけど、なんでこんなに人数がいるの?

かなり、うろうろと見回った後、やっと気に入った絵を見つけることができました。これしかない!と思ったのですが、交渉次第で値段が1/2、1/3と下がることを知っていたので、そんなそぶりは見せないで、「いらないぜ」という顔をして値段を聞く。


相手が出した額は、6万5千円。「たっ、高い!」
「まあ、テーブルに座ってください。」といわれ、飲み物が出てくる。

売り子:「この絵は、私のお父さんの知り合いが描いた絵だから、大丈夫ね。もっと安くなる。」
売り子:「わかった。それでは2万5千円。どう?」「2万2千円」「…」「もう、これ以上はダメね。」

ということになったので、最後の大芝居。

私:「15000円なら買う。そうじゃなかったらいらないよ!」

ときっぱり言い、「さよなら」って部屋を出るふりをした。そしたらそのやり取りを遠くで見守っていた人(おそらく社長)が、OKのサインを出すのが見えた。

売り子:「OK、1万5千円でいいよ。」

あっさりと、その金額で了承してくれました。やった。成功。 買ったのは、30号ほどの油絵。大胆なタッチが残るオダランを描いたものです。なかなかいい買い物でした。この日、この店では絵がまったく売れず、僕らが始めて買ったのだそうです。店の人から聞いたスアルタさんが教えてくれました。もしかしたら、もっと安くなったかもしれない。


これが買った絵。梱包方法をどうするか相談しているんですが、なんでこんなに大勢いるの?

その後、デンパサールにもどり、DFSで昼食を食べ、タンジュンサリに戻りました。疲れているし、僕の方は風邪がひどく、頭がクラクラしてましたから、コテージについた途端、寝てしまった。


浜辺から100m位。椰子の木に囲まれて建ってます。

泊まっているのは、このコテージ。
2階建てになっていて、1階にも2階にもベッドがあるんです。2階はこんな感じ。


合成の為、足が3本写ってますが...

なんか、野戦病院みたいでしょ?
とても落ち着けて、波の音が聞こえてくる中、知らないうちに眠りに落ちました。

...ふと気が付くと、もう夜。風邪の具合もだいぶ良くなってました。この場所に癒された。 体の調子も良くなったので、「じゃあ、ちょっと町に散歩にいこうか?」ということに。

今年は、絶対海外からのインターネット接続を成功させようと思い、万全の体制で望みました。So-netの海外ローミングサービスを使って通信するので、まず、日本にいるうちに、バリ島・デンパサールのアクセスポイントに海外電話をかけて、繋がることを事前に確認しました。しかし、一つ問題が発生。Myノートブックの”IBM X21”内蔵モデムは、インドネシアでの通信をサポートしていないことが発覚したんです。そこで、インドネシアでの通信をサポートしているPCカードタイプの外付けモデムを、急遽買って持っていったんです。そしたら、ダメなんですよ。アクセスポイント側は、ピーゴロゴロ...と応答するんですが、そのPCカードモデムが応答しない。なぜだろう?まったく原因がわからない。どうやってもダメ。

そして、町に出るついでに、インターネットカフェにノートパソコンを持ち込み、イーサネット接続で通信を試みることにしたんです。「このパソコンを繋がせてくれないか。」と言うと、ダメ。「イーサネットにLAN接続させてくれ。」と言っても意味が通じない。店にあるパソコンの裏を見てみると、イーサネットなんて使ってない!なんかRS232Cで、モデムに繋がっている様子。しかも、モデムは一つで、それがタコ足配線で端末に繋がっている。「じゃあ、そのモデムに直接繋げていい?」と聞いた。そしたら、「じゃあ、100円/5分ね。」と言われる。高い?


左:日本から持っていった機材1式/ 中:交渉中/ 右:首から下げでいたパームパイロットの事も聞かれて説明中

こうしていろいろチャレンジしたけど、結局ダメ。「うまくいかなかったから50円でいいよ。」とまけてくれました。こう書いていると、いかにもスムーズに話しているみたいだけど、実際は身振り手振り。でも、X21は誉められましたよ。「Great!」の連発でした。「How Much?」って聞かれたから、「20万yenだよ。」って言っといた。通じたかなー?首に下げていたパームパイロットを見つけられ、「それは何?」と興味津々。説明してあげました。

バリの通貨はルピア。1円→88ルピア。100円→8800ルピアっていう感じになります。1000円→88000ルピア。ルピアは桁が多くなるので、えらく高い買い物をしている気になるんだけど、実際は、100円だったりするわけです。それ以上に違うのが物価ですね。1ヶ月の給料が2〜3000円位だそうです。だから、100円だって十分高価な額なんです。向こうでは家よりも車が高いそうで、BMWやベンツは、日本で言えば1億円位の価値があるそうです。500mlの水が20円位(日本だと120,30円だよね)。ビンタンビールが50円位。冷えていると少し高くなるけど、バリにきたらそんなにお金はかかりません。


左:インドネシア紙幣/ 右:ビンタンビール。これが50円。

その後、町をブラブラしながら買い物。水や、ビンタンビールを買い込んでホテルに戻りました。

 

7月13日(金)
3日目

今日の予定はなし。終日フリー。
宿でのんびり過ごす。絵を書いたり散歩をしたり...。こういう何もしないっていうのが一番贅沢だよね。



ビーチを散歩していると、すぐに物売り、マッサージが近寄ってくる。この下段中央の人、「ボートに乗ってよ…」って言ってます。

午後、ぶらぶらしていると、地元の子供たちやおじいさん達がホテルに集まってくる。おじいさんは、みんな正装ですごくカッコイイ。なんだろうと思っていると、どうやらバリ舞踊の練習らしい。ホテルのスタッフに聞くと、明日このホテルでディナーショーあり、その為だそうだ。地元のおじいちゃんの演奏で、これも地元の子供たちが踊る。なんてすばらしいんだろう。何か観光としてではなく、こうして地元の直の文化を見れるっていいよね。きっとここのホテルの伝統なんだろうな。日本人も自分たちの文化に、もっと誇りを持ったほうがいいね。日本のおじいちゃんにもこうして頑張って欲しいな。

結構気に入った写真を撮れたのでギャラリーコーナーにします(大判で御免)。







踊っているのを見ていると、明らかに抜きん出ている子に気づく。
姿勢、視線、何をとってもすばらしい。「この子きっと、将来は名のある踊り手になるんだろうな...」と思った。

昨日まで、うまく通信できなかったパソコンですが、やっと成功。
結局、X21の内蔵モデムでOKでした。PCカードモデムが悪かったんです。内蔵モデムは、単にインドネシアで承認が取れていなかっただけで、動作はまったく問題がなかったのです。...という訳で、今日は久しぶりにメールチェックが出来ました。会社の方も問題なく動いているようで一安心。

 

7月14日(土)
4日目

今日は、ウブド・ナチュラスパリゾートへホテル移動の日。

朝、早めに起きて、昨日描き上げられなかったスケッチを仕上げる。昨日始めた時より、朝日があたって、とてもいい感じ。思いのほか筆も早く進んだ。

絵が描き終わる頃、妻が起きてくる。そのまま食事に。泊まっているホテルのタンジュンサリは海に面してレストランがあるので、風の強い日は大変なことになる。今日は、まったくその最悪の条件に当てはまり、プール脇のソファー席で食事をとることにしました。

食事をしていると決まって猫が足元に寄ってくる。このホテルには猫が数匹居付いているんです。
バリの猫は額が広く、日本猫とは顔つきが違う。よくバリの土産で猫の彫り物が売られているけど、あの独特の顔つきは創作じゃあなかったんだね。まさにそういう顔をしてます。下の写真を見てもらえばわかるけど、額が広いんです。

...そう言えばうちの猫は今頃どうしているだろう。

12時まで、少し時間が空いたので、タンジュンサリとのお別れをする。僕らのお別れは、沢山の写真を撮ってあげること。シャッターを押しながら、心に情景を刻み付けた。



バリではわりと普通だけど、トイレにはドアがない。風呂も何も全てがワンルームの中にあります。

早めにフロントでチェックアウトを済ませる。電話でポーターを呼ぶとすぐに来てくれた。玄関前に手押し車を止めると、「どうもありがとうございました。また来てください。」みたいな内容の英語をしゃべりながら、握手を求められる。とても暖かい手。来るたびに思うが、ここタンジュンサリのスタッフからは、とても優しい心遣いを感じる。ハートがあるんだなー...ここの人たちは。

フロントにつくと、マネージャーのアグンさんが待っていてくれた。この人の笑顔は世界一。すばらしい微笑だ。「また来ます。」とつたない英語で告げると、うれしそうに笑ってくれた。またまた握手。そして写真をいっしょに撮ってもらった。...ありがとう。


タンジュンサリ・マネージャーのアグンさんと。すばらしい笑顔。

いつもは、約束の時間より必ず早く来ているガイドのスアルタさんが珍しく遅れている。といっても10分ほどだけど...。車に乗り込むときに、アグンさんが来てくれて、また挨拶ができた。今度は日本語で、「また来年来ます。」と言った。スアルタさんがすかさず通訳を入れてくれて、アグンさん満面の笑顔。本当にすばらしいサービスだった。

お世話になったタンジュンサリを後に車はウブドへ。
人間勝手なもので、心はもう次のホテル。どんなホテルだろう?と心が躍る。

車はウブドを外れて深いジャングルの渓谷の橋を抜ける。まさかこの道がリゾートホテルには続いていないだろうと思わせるほどの小道を抜けると、そのホテルは現れた。まさにジャングルの中。渓谷に臨む形で立てられたそのホテルは、その施設のほとんどを、急な崖に建てられていた。おかげでレストランなどからの眺めは最高。見下ろせば渓谷があり、反対側の岸の崖が、眼前に広がっている。

僕らは、その中でも、最高の立地にある、”ジャングルビラ”というコテージに泊まることができた。日本からの予約では、もう一つ下のクラスの”ガーデンビラ”だったので、なんというか、ラッキー!ですね。「空きがないので、無理です。」と、断られたはずなのに...。値段だって高いはずなんだけど。いいのかしら?


ジャングルビラのテラス。かなり広くて12畳位ある。
背景に見える丘との間には実は渓谷があり、かなりの距離。抜群の眺めでした。

ジャングルビラの広いテラスで、ビンタンビールを飲んだ後、さっそく、ホテルの敷地内を散策。
レストランは、先ほど書いたとおりだが、その下に、これまた眺めのいいプールがある。崖に面した側は、そのまま下に水が落ち込んでいて、シャープなエッジを描いている。右下の写真は、その端に立ってみたのだが、かなり恐い。だって、この下は20m位の崖。行った人は真似しないように。ホテルの管理者の人に睨まれてしまった。よく見ると、手前の石に、英語で、「プールの端に座ったり、横になったりしないように。どうなっても知りませんぜ。」と書いてあった。...まったく気づかなかった。

その後、渓谷に向かって長い階段を下りると、スパハウスがある。本当は明日、受ける予定だったが、時間がちょっと合わなかったので、その場ですぐにマッサージを受けた。マッサージは、若い女性が揉んでくれて、とてもよいのだが、なんと、全裸にならなければならない。「全部脱いでください。」なんて、ニコニコしながらおっしゃる。ドギマギしてしまった。...その後のことは、恥ずかしいので、割愛する。

ひとつ書いておかなければならないのは、バリの気候。「熱帯地方だから暑いに決まってるだろう。」というのは、大きな間違い。アスファルトに覆われた日本とは違い、土が露出しているバリでは、とても涼しい。確かに日中の陽射しの下では暑いけど、木陰に入れば涼しいし、朝晩などは、寒い位。日本であんなに暑かったのがウソのようだ。とても気持ちがいい。

夜、レストランで食事を済ませた後、コテージに戻る。
広いテラスから空を見上げると満天の星だ。

2001年宇宙の旅で、ボーマン船長が最後に言った言葉を思い出す。「Star......(降るような星だ...)。」 まさに、この言葉どおりの星空がそこにあった。雲のような天の川があんなにハッキリと見えている。リクライニングチェアを倒して横になると、視野が全て星空になる。大きな流れ星、4秒位光っていただろうか?こまかな光の粒に分解していくのが見えた。時々、蛍が尻の光を瞬かせながら飛んでいく。まるで流れ星のようだ。

人間は、こんな情景を見ると、自然に対して畏敬の念を抱く。
これは当然な現象だと思う。この大きな宇宙の中で、地球大気の霞底の、ウィルスのような存在の自分たち...。何を求め、何を悩み、どこに進んでいこうとしているのか?個人の損得勘定を越えたところに何か種としての狙いがどこかにキチンと折りたたまれ、隠されているのだろうか?

「なんて、贅沢な時間なんだろう...」

まわりに、明かりは一つもない。山の端の形は、いつも見慣れているそれではなく、椰子の木の形。見えるのは、満天の星。静寂。こんな時間は、人生の中でもめったにあるものではない。そう感じられた。...ありがとう。自然とそんな気持ちになる。

夜、満天の星を見ながら、あるヒラメキがあった。

それは、”そばに居るから、人の大きさ(良さ)ってわからないんだろうな?”ってこと。
もし星に近づけば、灼熱の地獄や、醜い岩肌が見えてくるように、人間もそんなものかもしれない。でも、こうして遠く離れて見ると、その人が持っている本来の姿が浮かび上がってくる。美しい光を放ち、すばらしい紋様を見せてくれるのだ。日本にいる沢山の友のことが頭に浮かんだ。最近、「大した人間なんてどこにもいないんでは?」と思っていたので、この発見にはちょっと驚いた。自分が気づかないだけで、きっとそこらじゅうに、光を持った魂の存在は無数に存在しているに違いない。...この星空のように。

【 旅の後半は、来週のページで 】