用語集


■ プロッター
コンピューターで作成した設計図面を紙に書くための機械。
X,Y2軸の動作軸があり、ロットリングや鉛筆などを実際に
動かして紙に書きます。ステッピングモーターを使い高精度な
位置決めができます。分解能は当然非常に高く、最新機種
では0.005mmの精度がありますからコンピューターの画面とは大違いです。640*480ピクセルの画面(14インチとして)と同じ領域をプロッターでかくとその分解能は、大体56000*42000ピクセルになります。想像してみてください。今見ているモニター画面にそんな解像度があったとしたら、どんなふうに表示されるか?アンチエイリアスなんて必要ありませんし、ものすごくスムーズに図形を動かすことができます。

■ 透過光撮影
アニメーションなどで、レーザービームが光っているように見えるのは、透過光撮影を行っています。アニメーションの撮影台の下にランプを入れ、そこにレーザービームの部分に穴のあいている黒い紙(もしくはリスフィルム)を用意します。するとその隙間から下のライトの光がもれて、カメラに入るので光の表現ができる訳です。隙間に色のついたセロファンを入れることによって、さまざまな色の光を表現することもできます。この状態でカメラのレンズ前にクロスフィルターなどをいれるのもよくある手です。 ここで、「そんなことをしたらセルにかかれた絵が見えなくなってしまう。」と思った人がいたらすごいです。上からのライトは消し、撮影台下からのライトだけで撮影するのでセル画は写りません。よって透過光撮影は2重撮影をしてあとから適正にライトをあてたセル画をダブらせます。透過光撮影は時間のかかる撮影だということです。


■ リスフィルム
印刷の版下を作るためのフィルムで、黒い不透明なフィルム。
ここに画像を感光させるとその部分だけが透明になる。アニメーションの撮影で透過光撮影などでよく用いられます。よって、CGのプロッターでかいた絵(白バックで黒線)をリスフィルムにすると線の部分だけが抜けているリスフィルムができあがります。ただし、黒の部分は真っ黒で光を通さないはずなんですが実際には感光時のごみのせいであちこちに抜けている部分ができてしまいます。これをオペークという不透過の塗料で人手でこれを塗って直します。(この作業が大変です。)


■ オプチカル処理
フィルムを使った合成処理をオプチカルといいます。風景が写っている映像の下に、文字をスーパーインポーズしようとした場合の処理を書いてみます。
まず、ハイコントラストポジフィルムとよばれるラチュードの非常に狭いフィルムで(低感度で粒状感がすごく高い)黒バックにかかれた白文字を撮影します。
このフィルムからオスメス2種類のマスクを作ります。
はじめに実写のネガと文字以外の部分が透明なマスクを重ねて新しいフィルムに感光させます。
ちょうど映写機のランプが逆に付いていると思ってください。
(この機械をオプチカルプリンターといいます)密着させたフィルムに光をあて映写機を動かす訳です。
そうすると一駒づつ露光されていくことになります。
これで、文字の部分が黒いネガができました。次は文字そのものを文字の部分だけが抜けているマスクを使って露光させます。色のついた文字にしたければ色のついたフィルターを挿入して露光することになります。
ここで恐いのは、オスメスのマスクがほんのわずかでもずれてしまうと失敗となります。

フィルム上での1mmはスクリーンでは何10cmになる(何メートルになる場合もある)わけですから、恐いですね。
以上のような誤差を考慮して作業する訳ですから職人技といえる繊細な業が必要になります。
しかも合成が成功したかどうかは現像が終わるまでわかりません。今のデジタル合成を考えると信じられない世界でした。
フィルム制作をしてきた人たちが初めてビデオ画面を見たとき、画面がゆれないのにびっくりしたという話も有名ですね。
(注)私はオプチカル屋さんではないので、細かい部分で記述に間違いがあるかもしれません。ご了承ください。


■ 駒揺れ
フィルムを映写機で投影すると、たとえ静止画であっても画面が上下左右に動きます。これを「駒揺れ」といいます。

ご存知のようにフィルムはパーフォレーションという穴を映写機の爪で固定して同じ場所にくるようにしている訳ですが、パーフォレーションは映写機の爪よりわずかですが大きくできています。そうしないと実際には映写機で動かすことができないからです。よってこの隙間によってぶれが生じます。
また、パーフォレーションの大きさや位置などの精度もフィルム工場で作られた時期によって違ってきます。
ルーズリーフの穴あけ器みたいなものであけるのですから、刃が擦り減ってくれば、穴の大きさも変わってきてしまいます。
これらのことにより、フィルムが多少ゆれるのです。
映画館などで静止した画面をよく見るとわずかにゆれているのがわかると思います。(撮影したときにカメラが揺れているせいではありません。)

■ ラッシュ(ラッシュプリント)
フィルムを現像にだす際、内容を確認するためにポジフィルムも焼いてもらいますが、この際に正式な手順をふまず簡易的に作るポジフィルムのことです。
撮影したフィルムはネガなので、それをポジフィルムに焼き付けて初めて正常な色でみることができます。このポジフィルムを作る作業は、厳密に言うとカットごとの色調補正などをおこなう必要があるのですが、撮影後のチェックの為にこれらの工程を省略して作られるのがラッシュプリントと呼ばれるものです。
ラッシュを見るというのは、撮影したあとはじめてその結果をみることを言います。

■ グロー
オプチカル処理で焼き付けるときにオプチカルプリンターのピントをずらす事により光のフレア状の効果をだす技法。


■ CAD・CAM
computer-aided design/computer-aided manufactureの略。コンピューターを利用した設計と生産のこと。

■ VAX11/780
DEC製のミニコン。このコンピューターでベンチマークプログラムを走らせ、その能力を1mipsとした。初めは一億円もしていたが、後にCPUがLSI化されマイクロバックスとして数百万円までになる。

ドラフター
製図板に作図用の器具がついている物。もともとは、MUTOH(武藤工業)の商品名だが、現在では製図用の器具をさす一般的な名詞になっている。

■ アンチエイリアス
物理的な画素(ピクセル)の中で画素数以上の解像度を表現する技術です。画像は画素と呼ばれる点で表現されますが、これだけだとジャギーと呼ばれるぎざぎざの絵になってしまいます。たとえば320x240ピクセル程度の画面に斜めに白い線をかいたとします。当然ですが線はぎざぎざになります。この階段状の部分をグレーのピクセルで埋めると、ぎざぎざはめだたなくなります。これがアンチエイリアスです。



アンチエイリアスなし

アンチエイリアスあり

もともと、図形は小数点で表されますがコンピューターの画像は整数の座標系しかもたず、なおかつ有限の画素です。つまり有限の画素で無限の小数点の値を表す技術がアンチエイリアスだと言えます。
網戸から窓の外を見ることを考えてみてください。まどの外には自然の風景があります(これが小数点の図形の世界)。それを網戸の細かい隙間(コンピューターの画面)からみることと非常に似ています。網戸の隙間から見える空間の色を平均化することがアンチエリアスの原理です。簡単に言うと、640x480ピクセルでレンダリングし、320x240ピクセルに縮めればアンチエイリアスをかけることができます。実際のレンダラーはこうしているわけではなく、物体の輪郭部分だけの解像度だけをあげて平均化しています。