言わずと知れた北天で最大の銀河であるアンドロメダ銀河。

距離が近いということもありますが、実際に我々の銀河の1.4倍、14万光年の大きさを持ちます。


 この対象はすでに撮り尽くされた感があります。そこで究極のM31を目指し撮影したのが上の画像。8枚の画像をつなぎ合わせ、14000ピクセルx4700ピクセルの大きさを持つものになりました。画像をクリックで拡大した画像を見てください(と言っても、原板を25%縮小したものです)。


 こうしてみると、他の銀河と違って散光星雲や散開星団など、特異領域があまり目立ちません。銀河を横から見ているので、星間物質に隠されてしまっているのでしょうか? 暗黒帯も薄い気がします。調べてみると、実際に存在するガスなどの物質が少ないそうです。なぜなのでしょうか。


 アンドロメダ銀河のバルジには2つの巨大なブラックホールがあって、これは数十億年前に伴銀河を飲み込んだために出来たと言われています。もともとあった自分のブラックホールとこの伴銀河のブラックホールが2つ存在しているというわけです。しかも飲み込んだ伴銀河のブラックホールは今の位置に落ち着く前に、いろいろと動き回り、物質を吸い込んでしまった。そのせいで物質が少ない。という説があるようです。しかしまさかそれだけの理由でそんな風になるだろうか?


 もしかしたら、星が沢山生まれた結果、星間物質が少なくなったんじゃあないでしょうか。

私たちの天の川銀河は局部銀河群という銀河の群れに含まれており、その銀河群の中で最大のものがアンドロメダ銀河。この銀河群の中の銀河はすべてアンドロメダ銀河に吸い寄せられているので、アンドロメダ銀河は1つと言わず沢山の銀河を飲み込んでいったと思うのです。銀河が合体するとものすごい潮汐力が働き、星間ガスの濃淡が生まれ、濃い部分から星が生まれます。そうやって星間物質が消費されていった。これを何度も繰り返したので、星間物質が少ないのではないでしょうか。 ブラックホールと言えども、その引力の影響範囲は銀河の大きさからみたら微少なものです。どうもブラックホールだけに原因を預けるのは考えにくいと思います。 


局所銀河群の銀河はアンドロメダ銀河に吸い寄せられていると書きましたが、私たち天の川銀河も例外ではありません。アンドロメダ銀河のスペクトルを調べるとなんと青方変異しています。驚きですね。なんと秒速300kmでこちらに近づいてきているそうです!(いや、こちらが近づいていっている) 30億年後には我々の銀河と衝突するようですが、気が遠くなる未来の話し。その時どんな夜空が見られるのでしょうか。


  1. 以下、特徴的なエリアを紹介。
    何処にあるかは、ぜひご自身で見つけてみてください。


明らかに惑星状星雲ですね。ガスがリング状に拡がっているのがわかります。

 

M32
これも立派なひとつの銀河。これでも直径1000光年もあります。
 

散光星雲だと思うのですが...カラーだと良かったですね。

 

ここにも星雲が

 
  1. 箇条書き項目「フィールドフラッターを入手し、これでフラットな視野が手に入った。よし、さっそくモザイク作品を作ろう」と挑んだのがこの画像です。8枚のモザイク合成です。はじめてのモザイクなのにちょっと欲張り過ぎた対象でした。ちょうど良い位置にガイド星がなく、かなり暗いガイド星を選ばねばなりませんでした。そのせいでちょっとでも薄雲があるとガイドエラーを起こし、NGになってしまいます。また、きちんとしたモザイクのフレーム計画が出来ていませんでした。各フレームの重複領域が少ないものもあり、モザイク合成の境界がうっすらとわかる部分もあります。

  2. 箇条書き項目天文台の完全自動化に取り組み始めた時でもありました。この頃使っていたのはCCD-Autopilotです。自動化のテストをしながらの撮影でしたので、撮影にとても時間がかかっています。9月から撮り始め、最後のフレームが撮り終わったのはなんと12月になってしまいました。

  3. 箇条書き項目なぜ、この作品だけ白黒なのか? 
    実はRGBフレームもちゃんと撮ったんです。しかし、なぜかその時のフラット補正ファイルが無くなってしまい、フラット補正が出来なくなってしまったのです...バカですね(笑)。無理矢理補正をかければ使えると思いますが、今のところその処理をする気力がありません(笑)。

  4. 箇条書き項目いつか究極のM31を目指して、再挑戦したいです。

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