我々と同じ局所銀河群に含まれ、近傍にある銀河です。M31アンドロメダ銀河よりはちょっと遠いけれど、真上から見ているので詳細な構造がよく見えます。しかもM31と違って散光星雲など、特徴的なエリアが沢山含まれているので見ていて飽きません。我々の銀河は、直径10万光年。M33は6万光年しかないのに、質量は2倍あるそうです。数字の上からも密度の高い銀河であることがわかりますね。大量の星間物質があり、そこから盛んに星々が生まれている状態なのだと思います。
この作品は自信満々で天文ガイドに投稿しました。しかし、なんと落選。
「これ以上何も出来ない」というレベルまで追い込んだのにかなりショックでした(笑)。このページに載せてある画像は、正確にはそれと同じ物ではありません。サイト公開の為に調整を施してあります。時を経ると画像処理の技術は向上するものですね。投稿した時よりもさらにシャープな作品に仕上がりました。
シーイングの良い画像を使ったのはもちろんですが、元画像のSNを出来るだけあげ(合成フレーム17枚)、画像復元処理(リチャードソン・ルーシー法)で微細な構造をよみがえらせています。特に微恒星をどこまで出せるかに主眼をおきました。もちろんそのままでは輝星にまで処理が及ぶので、マスクを使って合成してあります。画像復元はAstroart3.0を使用しています。このソフトの計算スピードはとても速く、使いやすいです。
注)リチャードソン・ルーシー法の名前ですが、ルーシー・ルチャードソン法という表記を使っているソフトもあってばらばらですね。
銀河の画像でガス状に見える部分も本当は星で出来ているはずで、それがどこまで分離出来るかに挑戦しました。処理をしていると、暗部のノイズがだんだんと星に見えてくるから不思議。どこまでが星で、どこからがノイズなのでしょう?
NGC604
こんな大きな散光星雲が見えます。これだけで直径1300光年!
こんなに大きな星雲はめずらしい。オリオン大星雲の100倍程度の大きさです。
NGC595
NGC604に比べれば規模は小さいですがそれでも巨大な散光星雲。バックが明るいので周辺に暗黒星雲が沢山あるのがわかりますね。
IC132
これは惑星状星雲でしょうね。エメラルドグリーンの色が美しい。酸素とヘリウムが混ざっている輝線色でしょうか?
NGC592
特異な形をしています。これも惑星状星雲でしょうか。ジェットのようなものが吹き出しているようにも見えます。まさか中心にブラックホールがあったりして。