なんと暗黒帯の多い銀河でしょう。しかも特徴的な形をしています。
一番外側の淡い暗黒帯をA、中間をB,コア付近をCとした場合、BとCはほとんど相似形です。大きさが違うだけで同じパターンを繰り返していますね。Bに対してのコアはCであり、Cのコアは文字通り銀河のコアになっています。まるでフラクタル図形です。
一番外側のAの領域にもおそらく相似形の暗黒帯が伸びていると想像します。実際、右側には近傍の星に照らされたその一部が見えています。この銀河の一番の難物がこのAの領域。とにかく淡く暗くて、描出するのはノイズとの戦いになります。
銀河右上の輝星の下に面白いものが見えています。ハの字を横にしたように伸びる2本のライン。これは何でしょう? いろいろ調べてみましたが、わかりませんでした。M63よりも奥にあるエッジオン銀河が、たまたまそのような形に見えているのか。それともM63の中のブラックホールから巨大なジェットでも出ているのでしょうか? 星図をみてもそこに銀河があるようには書かれていないので、おそらくM63の内部のオブジェクトだと思われます。
これの正体をご存じの方がいましたら、ぜひご一報ください。
上の文章にも書きましたが、一番外側の暗い領域を描くのがとても難しいです。もう少し見えるように調節することも出来ましたが、ノイズがひどくて見るに堪えなくなってしまいます。
この頃の作品は、PhotoShopのマスクレイヤーを使い、部分的にスマートシャープをかける手法を多用していました。画像全体にシャープ処理をすると、周辺はノイズで破綻してしまいます。よって、シャープ処理を施したレイヤーをマスクにより合成します。マスクレイヤーをアクティブにしておいて、白ブラシでマスクを描いていくと、なぞったところだけがシャープに変化していって、面白い作業になります。しかし、このマスクをうまく作らないと、一部だけ異常にシャープな画像が出来てしまうので、要注意です。