デジタルハリウッドで、パートナーズシップ発足の記念セミナーが行われました。このパートナーズシップ自体にはあまり興味がなかったのですが、一回目の講演がジブリの鈴木プロデューサーだということなので行ってきました。知らない方の為に書いておくと、”風の谷のナウシカ”で、ジブリを作られたプロデューサー。以降、ジブリ作品は、みなさんお馴染みですね。
セミナーが始まってから15分ほどして、鈴木プロデューサー登場。まったく、飾らない人柄で、「ごめんなさい」といって、壇上の椅子の上で、あぐらをかいて話しておられました(下の写真のように...)。
鈴木さんは、今となっては、スタジオジブリの名プロデューサーとして有名な方ですが、そのきっかけは、”アニメージュ”を立ち上げた編集長だったのですね。そして、「太陽の王子ホルスの大冒険」の取材で、高畑監督や、宮崎監督と初めてであったそうです。しばらくして、高畑さん、宮崎さん両氏とアニメージュ編集長を続けながらジブリ設立に至ったそうです。
この時期、2足の草鞋を履いていた訳ですが、これが面白かったそうです。「自分はジブリにいて働いているのだが、夜になるとアニメージュの編集長にはやがわりし、昼いっしょに作っていた作品(ナウシカとか...)を、批判する立場になるんですよ。」 「これによって、第三者的な立場から作品が見れたことが面白かった。」 とおっしゃっていました。
また、ジブリには、現在、立派なCGセクションがありますが、当初コンピューター導入に関しては、宮崎監督がコンピューターを毛嫌いしていたため、いろいろな苦労があったそうです。宮崎さんは、なぜかワープロなら拒否反応を示さなかった為、コンピューター(マッキントッシュ)をワープロとして、誤魔化していたそうです。”おもひでぽろぽろ”に出てくるワープロが、マックに似てるのは、その為だそうです。
デジタルハリウッドの杉山校長が、どうにか話をデジタルのコンピューターがらみの方に持っていこうとしますが、結局泥臭い、人間的な話に終始していたのが面白かった。
最高だったのが、「ジブリで働いていると、自分を見失いそうです。」と言ってやめていく社員の相談をよく受けるのだそうですが、鈴木さんは、そんな時、「そんなことどうでもいいから、目の前の仕事をしてくれっ!」って言うのだそうです。「そうするしかないんだよ君は!」 って。これ、大受けでした。僕も鈴木さんのその気持ちよくわかります。『なんだかんだ、理屈をこねても、結局は、何かを作り上げることが仕事なんだから、まず、作れよっ!。それが出来てもいないのに、悩む暇なんてないだろう!』 こういう気持ちが込められているのだと思います。ほんとそのとおり。僕も声を大にしていいたい。
いやいや、とても面白いプロデューサー論を聞かせてもらいました。
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