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 4week  2002/1/21 〜 1/25

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1月21日(月)

来期(2002年4月〜)の人材募集をどうしようかと考えています。現在ライブの制作業務を担当している人数は8名(僕自身も含む)。ちょうど仕事の量とつりあってきています。本当はもう少し人数がいた方がいいのだけど、まだ、全員が一人前と言うことではないので、教育期間のキャパシティを考えたらもう一杯かもしれません。しかし、現実的に足りていない職種があって、マルチメディア(CD-ROM,インターネット)関連やCGのプログラマーです。現在は8名のうち、1名が専任でこなしていますが、最近、そういう方面の仕事が増加傾向にあって、その分野の人材が欲しくなってきているんです。


今年からCGWorld増刊・CGクリエーターズ年鑑にライブも載ります。

ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、そんな折、”CGWarld”(CG関連の雑誌)から、求人広告を出しませんか?という電話が入りました。ちょうどよかったので、「マルチメディア関連、しかもプログラマーよりの人材が欲しいと思っているのだけれど...」と、聞いてみました。そしたら、なかなか、いないんだそうです。”CGプログラマーになりたい”という人は...。そういう人を募集できるようなジャンルの雑誌もないそうです。

これって市場原理というか、今の日本のCG界の鏡なんでしょうね。
つまり、日本のCG業界では、プログラマーをそんなに必要としていない。ゲームプログラミングという世界はあるが、CG映像を作るためのプログラマーは必要ないのでしょう。言い換えれば、そんなことをしないと実現できないようなプロジェクトが少ないということです。それと、プログラマーには、CGクリエーターのような華やかさがない。CGクリエーターは、雑誌にも取り上げられたりして人目につきます。いろいろなコンクールがあり、そこに作品を出品し、認められれば、その先にはすばらしい道が待っているというイメージがある。しかし、プログラマーという職種には、そんな輝かしい未来を想像することが出来ない。だから、誰もあこがれないし、それを目指そうという人が少なくなるんでしょうね。

残念ながら日本は、プロフェッショナルなCG制作の世界においてさえ、外国(特にアメリカ)からのソフトウェア−だけで成り立っている。 本来のCGというものは、プログラミングなしには考えられないはずなのに、今の日本の状況というのは、アメリカが作ったレゴブロックを組み立てているだけのような気がしてなりません。そんな状況では、CGの最先端に立っていることにはならないし、世界的に見て、かなり恥ずかしいのではないかと...。

この先、日本のCGは何処にいくのでしょうか?

 

18:00
帝国臓器HPデザイン案提出
1月22日(火)

ライブは、ODNの128kbpsラインでインターネットに繋がっています。
まあ、今となったらすごく遅いんですが、これに入った5年前は、すばらしく速く感じました。なにせそれまでは、28kbpsか速くても64kbpsでしたからね。それがあれよあれよという間に、フレッツISDNだの、ADSLが一般家庭に普及しました。会社に来てインターネット見る方が遅いんですから、困ったものです。

さて、そんな状況のライブにもやっと光ケーブルが引き込まれることになりました。今日は、その工事の下見調査。早ければ3月頃にはブロードバンドの仲間入りが出来そうです。

 

13:00
FTTH調査

16:00
蛋白質ナノマシン納品

1月23日(水)

昨年、一人2台の制作環境を整えたおかげで、いつのまにかライブのコンピューター台数は、34台になっています。このうち3DCGに使われているのが30台。この30台に対して3DStudioMAXのプラグイン管理がかなり大変です。新しいプラグインを買うたびに、その都度追加作業を行ったおかげで、現状は、めちゃめちゃになっていました。

今日は、これらを全てクリアし、すべてのコンピューターのプラグイン環境を設定する作業を行いました。『LiVE標準プラグイン』というフォルダーの中に、全てのオプションプラグインを集め、これをすべてのコンピューターにコピーし、セッティング。レンダリングを専用に行っているレンダリングサーバ専用マシンは、これでいいんですが、オペレーションをするマシンは、このままだと動かないプラグインが出てくる。具体的に言うと、デジメーションやセバス社製のプラグインは、それぞれ専用のキー管理サーバーアプリケーションをインストールしないと動かない。MAX自体も、ソフトウェア-キーによって、動作していますが、それと同じ仕組みです。しかも、登録した以外のコンピューターにプラグインを移すと、また再登録の必要が出てきます。以前は、ハードウェア-ロックキーに対して認証を行っていたので、それを差し替えるだけで済みましたが、ソフトウェア-キーは、コンピューターを認識してコードを発行するので、ダメなんですね。このキー管理方法は、もはや破綻状態で、ディスクリートさんがもう少し、統一的な方法を考えないと、ダメですね。

その後、Windows2000SP2を導入。MAX自体も4.26にパッチをあて、何かすがすがしい気分です。このパッチで、バグフィックスとPentium4のSSE2に最適化が行われたようですが、実際に動かして見ても少し速くなったような気がします(おそらく気のせいでしょうけど...)。


3DMark2001のデモ画面。特に右のNatureがすごい。葉が一枚一枚揺れます。

また、DirectXも8.1へ。ついでに3DMark2001をダウンロードし、ベンチマークを行いました。うちのマシンは、全て ”カノープスSPECTRA X21(GeForce3 Ti 500)”。ちなみに、ベンチマーク値は、4300〜4500位です。これが速いのか遅いのかは解りませんが、しかしこの数値よりも、ベンチマークソフトのテスト画像には改めて驚きました。特に"Nature"。木々の葉がゆれ、川面には、環境マップが施されています。まさにリアルタイムCGという認識を変える画像です。リアルタイムCGは、もうここまで来ているんですよ。まだ、見たことがない人は、是非見てみてください。

→3DMark2001ダウンロードはこちらから

 

19:00
BBP・鈴木さん打ち合わせ
1月24日(木)

携帯電話を換えました。
”NTTDoCoMo NM502i”から、”Au 2001S”へ。Sony Ericsson社製の携帯です。DoCoMoからAUへ、通信事業者の変更ですから電話番号も変わってしまう。それなのになぜこの携帯にしたんだと聞かれれば、もう、「デザインがよかったから!」 これにつきます。ほんと、すばらしいデザイン。とてもクール。

 
カバーを変えると着せ替え可能。 SONY端末はジョグダイアル&PoBOXが特徴。

1年半ほど、NM502iを使ってきましたが、短い間に液晶はカラー、画面も大きくなって、見やすいことこの上ない。AUは、データ通信が64kbpsですからメールを見たり、Webにアクセスするのも最高です。そして何より、通話音質がNTTより格段にいい。

しかも、インターネットで安売り店をさがしたら、\1,700円で購入できました。年齢割引というのがあり、\1,000/歳で引いてくれます。僕の場合、なんと\4,100円の値引き。

皆さんもAUにした方がいいですよ。

 

13:30
パナソニック映像さんで打ち合わせ

17:00
NHK情報ネットワークさんで打ち合わせ

 

1月25日(金)

今年から分業制でCG制作を行っていくという宣言どおり、今年になって制作を開始した作品に関しては、モデリング→質感付け→アニメーション→レンダリング→仕上げという工程に分けて作業しています。予想通りというか、やってみると良い点が沢山出てきています。

 → 

まず、それぞれの担当者がその内容だけに集中して作業ができるので、精神的な余裕が生まれる。例えば、モデリングを例にとると、今まではモデリングをやりながら質感付けやアニメーションのことを考えなければならなかったので、本当のモデリングに集中出来ていなかった側面があったわけです。特に、まだ経験の浅い人たちにとってそれをさせるのは酷な面もあったでしょう。

それが、今度は、目の前のモデリングという作業に集中すればよくなったわけですから、余裕が生まれる。後はこの余裕(空いた時間)を、良い方向に使ってくれればよいと思います。モデリングをより深く、より良くなるように考え、質の向上を図ってもらえれば、今まででは実現できなかったような仕上がりが期待できます。

そして、こうして作られたモデルデータを、次の担当者である質感付けを行う人に渡します。この『他人に自分が作ったものを委ねる』ということは、見過ごされがちですが、とても大切。ここで、完全に個人作業でないという現実を認識できる。そして、質感付けをしてくれる人に対して作業しやすいように、データを作る必要が出てきます。対人間関係になるので、心構えも違ってくるはずです。「問題が起きたら後で直せばいいや。どうせい自分でやるんだから...」という考え方が通用しなくなってくる。代わりに、「テクスチャーを付ける人に、迷惑にならないようなデータを作らなければならない。」「変な作り方をしていたら、笑われてしまう。」などなどの意識が出てくるハズです。

つまり、こうして作業を区切ることにより、データの品質をチェックするゲートがいくつも出来ることになります。しかも、そのゲートのチェック機能は、分散処理で、ある一人の人間に頼る必要もなくなる。皆、それぞれがチェックを行うことになるので、僕からしてみれば手間要らずです。

また、次の工程である質感付け担当者は、モデリングの人に対して、「さすが...」と思われるような仕事をしないといけない。そしてモデリング担当者は、質感付けが終わった画像を見て、質感付け担当者との信頼関係を築く。お互いがプロフェッショナルとして、認め合い、プライドを持って仕事ができる好循環が生まれるのではないかと思っています。

やっと、この歯車が回り始めた気がします。