15week 2003/4/7 〜 12 |
4月7日(月) | デジタルメディアラボさんからCMの仕事を請けてます。しかも、プロデューサーは以前話したことがある福島さん。本当に奇遇です。 仕事を受注し、スタッフ構成を考え、制作が始まり、それをチェック、より良いものにしていく。その流れの中のどこで今までの限界を破るクオリティが生まれるのか?一つ目は企画段階で描く頭の中のイメージが作られる瞬間。二つ目はスタッフに渡った後に行われる個々のプラスアルファ。三つ目は、チェックをし、スタッフとやりとりをする中で生まれるコラボレーションによるグレードアップ。
それぞれに大変だし、欠かすことの出来ないことだけど、ディレクターとスタッフの間でのイメージの統一や、食い違いを直すことだけで終わりかねないBのコラボレーションが一番大変な作業だと思う。僕はディレクターの立場として、なるべく自分の手を動かさないように考えるが、手を動かしてみないと解らないこともあるわけで、なかなか苦労する部分。以前、知り合いのアニメーターが言っていたことを思い出す。
すごくシンプルな考え方だと思う。クオリティアップを目指す、最後の高いレベルの部分は、こういう領域に入ってしまうのではないか? もちろん、ディレクターが望んでいること以上のイメージ(ただし方向性は同じで)が、スタッフから出てくれば、これはもう万々歳。ただただ、スタッフの力、コラボレーションの力に感謝することで、事足りるのだか...
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20:00
DMLにて納品 |
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4月8日(火) | 昨年の今頃、制作を行った”バイオハザード0”の仕事で、CGムービーだけを集めた特別バージョンのDVDが、白組さん経由で、ロボットさんから送られて来ました。ゲームとは関係なく、CGムービーに関わったスタッフに対して、特別にDVDを作り、その労を労う姿勢は、特筆に価します。今の世の中、不景気でそんな心遣いなど、どこかにいってしまったかのようですが、こうして、キチンと最後のフォローまでしてくれるプロダクションは、本当にすばらしいと思います。さすが、ロボットさん。そして白組さんですね。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。
夜になって、先週から始まった契約公開(笑)じゃない、今年度の給与額についての話し合いを行いました。 普通、一人あたり、30分〜1時間で終わるところ、今日は5時間も話し続けてしまいました。個人名を挙げることは出来ませんが、まあ、濃い内容の話し合いだったと思います。 いつもこの時期こうした話し合いを持つたびに思います。”彼らに十分なやる気を与え続けてきた一年間だったろうか?”と。他社では、こういう話し合いの場はないんでしょうか?一年間のいろいろが出てくるだけに、こういう話し合いなしに何年間も過ごすなんて、うちでは到底考えられません。お互い血の出る部分もあるけれど、これをやることによって、より前進できる力が出てくると信じています。
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4月10日(木) | 今日からサーバーを5Fに移すための工事が始まりました。 今まで、3Fにあったファイルサーバーと10台のレンダリングサーバーを全て5Fに持っていってしまおうというものです。3Fでの電力消費量が増え、ブレーカーが落ちてしまうことが多発したためと、騒音や温度管理の為です。10台のコンピューターがいっぺんに動くと、すごい熱を出します。それを冷やすために、人間が多少寒い思いをしても、冷房をかけなければならなかったりしたこともありました。 5Fの物置になっていた小部屋にドアを設け、専用のクーラーを設置。そこにすべてのサーバーをぶち込む計画です。今日はまず、専用のクーラーをつけるための工事。5,6人が右往左往するなかなか大掛かりな工事になってしまいました。 午後、伝統文化放送さんに打ち合わせに。CS放送の歌舞伎チャンネルを放送している会社ですが、そこのジングルを新しくする仕事です。ライブ以外にも何社か声をかけているようで、果たして受注できるかどうか...
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15:00 伝統文化放送さんで 打ち合わせ |
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4月11日(金) | 昨年から開発を続けているRWViewerが完成に近づいています。今日リリースしたバージョンはα0.6。実装していない機能は、一つだけの、ほぼ完成形の機能を持ったバージョンです。今年の1月のCGフェスティバルで紹介したものより、格段の進歩を遂げています。 ご存じない方のために、概要を言っておくと、3DStudioMAXで作ったモデルをエクスポーターを介して出力し、それをリアルタイムで動かすことが出来るビュワーです。いくつかのモデルを組み合わせたり、ライティングや、フォグなどの特殊効果を設定できます。またコリュージョン機能も持っており、すべてのオブジェクトが実世界と同じように衝突判定され、突き抜けることがありません。LODと呼ばれるカメラからの距離に応じてオブジェクトの複雑さを軽減する機能もあり、ちょっと前のシュミレーターの感覚です。描画パフォーマンスもかなりのもので、今の時代の標準的なグラフィックボードで、100万ポリゴンは実用域に入ります。しかも、コリュージョン計算をして、ですよ。 だいぶ、宣伝をしていまいましたが、このソフトウェアー、今のところ市販の予定はありません。もし、「詳細を知りたい」、「ぜひ、市販して欲しい」という要望がありましたら、ご連絡ください。皆さんの声が多ければ、なんらかの方法でご要望にお答えしたいと思います。 一方で、DMLさんと別件の仕事が進行中。
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4月12日(土) | 土曜日なのに、ほぼ全員出社。 昨年からスタートした分担制度のうち、アシスタントディレクター制度は、十分に定着しました。やはり、この役割をはっきりと決めるのはよかったみたいで、いいものは黙っていても定着するようです。そのかわり、すぐに効果が見えてこないことは、なかなか慣習になりません。本来の創作部分である、モデリング、マテリアル、アニメーションなどの工程は、なかなかうまく分担できているとは言えないのが、事実。それの一番の理由が、分担しているほど、時間がないこと。つまり、より高いレベルの物より、そこそこのものを、短い時間でつくっていくというのが、今の日本の仕事の要求レベルなのかもしれません。
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