ACPとは?


 ACPは、星居天文台の自動化を行うための要となっているソフトウェアーです。大変優れた拡張性を持つソフトで、同じような目的のソフトにCCDAutoPilotがありますが、まったく設計思想の違う物です。CCDAutoPilotは通常のインターフェースを持ち、誰にでも使いやすく考えられたもの、ACPはスクリプトベースだが、拡張性の高いものです。

 基本的に何をしてくれるかというと、撮影計画を記したテキストファイルを読み込み、そのシーケンス通りに撮影を行ってくれます。クラウドセンサーなどの天候センサーともリンクし、天候を考慮しながら撮影を行います。撮影中に雨が降ってきた場合には、自動的にドームを閉じ、撮影を終了します。しかし、これはひとつのスクリプトファイルがしていることに過ぎません。スクリプトファイルを変えれば別の動作ができるところにACPの本質があります。

 また、内部にWebサーバーを持ち、Webブラウザーベースのインターネットを介したコントロール機能があります。つまり、Windowsのリモートデスクトップなどを使わずに、Webブラウザーだけで天文台の操作ができることになります(ちなみに、この機能は私は使っていません)。



ACPの本質


 ACPの動かし方は、「Browse...」ボタンを押してスクリプトファイルを指定し、「Run」させるスタイルです。撮影を自動で行ってくれるのは、単にそのようなスクリプトを実行することによって行われたことに過ぎません。ACPは、スクリプトプログラムの実行プラットフォームということが言えます。


 ACPの本質は、天文台をコントロールするさまざまなコード、サブルーチンがCOMモデルの形で用意され、それをすべて解放している点にあります。よって、プログラムが書ける人であれば、どのような要望にも対応出来るシステムを構築することが可能です。僕は、そのおかげで、自分専用の撮影コントロールソフトウェアーSOCを作ることが出来ました。


 ACPを開発したDC3-DreamsのBob Dennyは、大変優れた方で、天体画像位置解析ソフト、PinPointも彼の手によるものです。ASCOM規格を作成したコアメンバーでもあるようです。DC3-Dreamsのユーザーサポート掲示板は大変活況を呈していて、質問すると、Bobやコミュニティの人から直ぐに返事がもらえます。こんなところもプログラムを開発するにはとても良い環境だと言えます。

 しかも、こんなに優れたソフトウェアーがたったの5万円程度で買えてしまうことにも驚きを禁じ得ません。ACPに興味を持たれた方は、ぜひ、DC3-Dreamのページをご覧ください。

<ACPコントロールウィンドウ>