リモート電源装置
リモート天文台をコントロールしているコンピューターを含め、全ての器機の電源をインターネットを通してコントロールする装置です。僕が使用しているのは、ランデブートライト(明京電気・リモート電源装置)です。FTPアクセス、HTTPアクセス機能を持ち、コンピューターを介さずに、直接コントロールすることができます。4つのコンセントを持ちそれぞれを別個に操作出来ます。
死活管理機能
電源のON/OFFはもちろんですが、繋がっているコンピューターをリスタートさせることも出来ます。これはWindowsに備わるUPS(無停電電源装置)機能を使ったもので、ランデブートとコンピューターをRS232Cポートで接続し、リセット動作をおこなわせるものです。コンピューターがハングアップした場合に安全にコンピューターをリスタートさせることが出来ます。また、死活管理も出来ます。たとえばルータがハングアップしてしまうと、外部からのアクセスは一切出来なくなってしまいますが、ランデブートがルータのIPアドレスに対してPingを打ち、機器が動作しているかどうかを監視することが出来ます。Pingが帰ってこない場合はハングアップしていると見なし、自動的に電源のON/OFFを行って復旧させることが出来ます。
ただ恐いのは、正常に動作しているにも関わらず、Pingを返せない場合です。撮影中や重要な動作中にいきなり電源のON/OFFをやられてしまう可能性がないとは言えないので、実際にはこのPingによる死活管理は使用していません。一時、Pingによる死活管理を行っていましたが、ログを見ると、不定期にルータにリセットがかかっていることがわかり、使用を停止しました。
現在は一日一回、朝7時に、ルータやハブなどの電源をリセットするという定時動作を設定しています。
また、CCDや、EL板、ドーム内カメラをコントロールするポートは、毎朝7時にOFFにしています。これは、ソフトウェアーの暴走、ハングアップなどが起こり、且つ、インターネット回線が不通になった場合の保険です。実際に、これらの機器の電源が入ったままアクセス不能に陥ったことが何度かあり、そのようになるとアクセスが回復するまで、これらの電源が入ったままになってしまいます。EL板は発光寿命がありますし、CCDカメラもドーム内の温度があがった場合、100%冷却を続けることになるわけで、それらを避ける為にこのように設定しています。
停電時の動作
もうひとつ大切なのが、停電などの原因でランデブートへの電源供給が絶たれた場合です。切れる時は問題ないのですが、その後電源が回復すると、ランデブートは全ての電源ポートをONにしてしまいます。 これは工場出荷時の設定で、 設定を変えることによりONさせないことが出来ますので、必ずONにならないようにしておく必要があります。
ソフトウェアーからのコントロール
メーカー製のコントロールソフトを使用しますが、FTPコマンドを使うことも可能です。これを利用すると外部プログラムからもコントロールが可能になり、ウィンドウズスクリプトで、機器の自動立ち上げが可能になります。
私は「MySwitch」というプログラムを作りました。ボタンが3つあるだけの簡単なものですが、何度もマウスクリックを行う必要がなく、手動の電源ON/OFFがとても楽になりました。
雷&ノイズ対策
先ほども停電の話しをしましたが、なるべくそうならないように、 無停電電源装置を使っています。 また、夏は雷が多く、雷への対処が必要です。これにはサージ電流対応の電源タップ(TRIPP・LITE)を使っています。将来は、もうすこし信頼性の高いものに置き換える予定です。