昨日、僕が子供の頃からお世話になっていた近所のお医者さんが亡くなりました。
山田先生には、子供の頃、大変お世話になっていて、熱が出たりすると、それこそ夜中でも診てもらいました。そんな時、とてもやさしい声をかけてくださって...、その声を聞くと、不思議と心が落ち着き、いくらか呼吸が楽になったのを覚えています。
先生のお通夜の為、会社を早退したんですが、 帰宅する途中この夕焼けに出くわしました。前日の台風が去って、上空のチリが吹き飛んだのでしょう。
なんと、すばらしい夕焼け。
この写真は、電車の中から撮ったものですが、他の乗客も、この異変ともいえる赤い色に気づいたようで、皆、西側の窓に注目していました。
日常、まったく意識することのなくなった自然と言う環境。本当はその中で生きているはずなのに、あたかもそれとは遊離した世界で息を吸っているような錯覚。そして、そこからの覚醒。
人の死も同じですね。
人間は、普段生きているということを忘れて息をしている。身近な死は、そのことを思い出させてくれます。
お通夜の最後に、亡くなった山田先生の顔を見せてもらいました。生前と違ってとても小さくなられていて...。先生の死に顔を見たとたん、死が実感できました。
お通夜から帰ったのが9時頃。
その日家族は皆出かけていて誰もいませんでした。そして何気なくテレビをつけると、その映像が飛び込んで来ました。
ニューヨークの貿易センタービルが、映し出されていました。しばらくするとそこに飛行機が飛び込んできました。生中継のアナウンサーはそのことに対して何も言いません。”今、飛行機がぶつかったんじゃないの?”
その後、一分ほどして、「今、2機目が飛び込んだ模様です。」
そうです。
『米国同時多発テロ事件』です。なんということでしょう。これは映画ではなく、本物の映像。今日見たあの赤い夕焼けが何かを暗示していたようで身震いしました。
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