あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。
このCG制作日誌、昨年の9月からなかなか現在日時に追いつけず、バタバタしておりましたが、ここで、追いつく作業をするのを諦め、リセットをかけます。本日よりまた新たにスタートします(空白になった分は、のちのち追加していこうと思っています)。
さて、ライブも今年で5年。ほんとによくやってこれたものだと思います。しかし、5年もたつといろいろな所に垢がたまっているのも事実で、今年は、このダレの部分を、躊躇無く削ぎ落として行きたいと思っています。
CGを作っていくというのは、実はさまざまな才能が必要で、演出的な才能、システムエンジニア的な物の見方、プログラマーのような能力、彫刻家のような空間把握能力、絵を描くイマジネーション、カメラマンのようなスキル、アニメーターのような動きをつける勘。映画の照明マンのような経験。もう、多種多様な能力が要求されます。ところが今までライブでは、スタッフの一人一人が1作品を受け持ち、CG制作をして来ました。一人の人間がこのようなさまざまな要求に答え、物作りをしてきたわけです。
しかし、これらの作業を一人で成しえるということが、幻想であると、ハッキリ気が付きました。
もともと、アナログの手描きの世界で生きてきた自分にとって、コンピューターは、「何人もの手を経て作られる映像を個人の手の中に引き入れることができるすばらしい道具である。」という認識が強くありました。だから、一人で全てをこなすことが、今までの映像制作の壁を打ち破ることになるのではないか?と思っていたのです。
確かに、CG制作に要求されるさまざまな才能を持っているという人は、居ると思います。自分もそうでありたいと思います。しかし、それぞれの才能の深さにおいて、複数の人間で作り上げたそれを上回ることは、不可能だと、悟りました。
しかも、企業として、CGを、製品として売るのであれば、品質を保つことはとても重要です。その管理を、個人個人の中に押し込めてしまってはいけない。個人個人の才能だけに頼ってはいけないんです。
締め切り間際に初めて見つかる質の問題。時間がなく、もうどうしようもない。なぜ、こんな大きな問題を早く言ってくれなかったのか?僕も含め、皆が猛烈に忙しいために、最後の最後にならないと、「出来上がっていない」、「間に合わない」ということが解らない。聞いてはいるけど、言ってくれない。そんなことが頻発していました。
『出来ない人に、出来ないことをさせてはいけない。』
いくら、期待しても出来ないものは出来ない。いくら徹夜で頑張ってもダメなんです。このあたりまえの事が出来ていなかった。頑張れば出来るだろうという甘い幻想は捨てました。まして、時間との勝負が仕事ですから、教育のチャンスとして仕事を捕らえすぎてはいけない。肝に命じます。
...ということで、今年からライブは、集団でCGを作り上げる仕組みを強化していきたいと思っています。出来ないことではなく、出来ることを持ち寄り、それぞれの持った才能をより深く追求していくことに注力して行きます。そしてそれらがお互いに刺激しあい、ガッチリと組み合わされば、今までのライブを越えたものが出来ると確信しています。
そういう意味で、僕は、今年、現状のライブをぶち壊す役目を負います。
年賀状のジェット機には、そんな気持ちが込めてあります。
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