やっと、思い描いた調子を得ることが出来ました。自分で処理をしていて、しばし見とれてしまいました...(笑)
星の写真を苦労してやっているのは、この瞬間に出会うためなんだな〜とつくづく思いました。
フラットも完璧で、背景傾斜の補正処理はまったくしていません。
とにかく下ごしらえが終わった後は、ものの30分ほどで完成してしまいました。本当にスッキリと、複雑な手を加えず、素直に仕上がりました。
それから最近は、「ノイズはある程度あった方がいい」という意識になりました。ここが大きく変わっています。
ノイズが適度にあることにより、画像が以前よりも自然になったと思います。変にノイズキャンセルを行うと、どうしても描いたような「絵」になってしまいます。また、印刷すると解像度感が大きく向上します。
前作の二重星団(h+x)から、処理方法も少しずつ変えていますが、その新しい処理フローに強い手応えを感じています。変更点としては、以下のような点があります。
4.Labカラースペース変換によるLRGB合成は、最後に行うようにしました。
L(HaRGB)をベースに画像復元処理を行ったHa画像をマスクで合成し、最終的なシャープさを持たモノクロ画像を初めに作ってしまいます。トーンカーブや、最終的なシャープ処理も全てやってしまい、最後にLRGB合成をしました。この方が、色の純度が高まります。カラー化した後の処理は少なくした方がいいですね。
5.フィルター感度とCCD感度を考慮したトーンカーブ補正(NGC7293で説明したもの)を使って色補正をしました。これを行うと、赤い星雲の中のブルーの星に照らされた感じが非常に良く描写できました。
ここには、昔、巨大なガスの柱が上に向かって伸びていたのでしょう。
その中から次々に星が生まれ、ガスは四散していった。
その先端部には、まだその面影が残っています。
水素輝線で光る赤い星雲に、生まれたばかりの青い星が光を投げかけている。
いや、光だけではなく、いろいろな放射が星雲に力学的な影響を与えているのが、その沸き立つような形状から読み取れます。
分子雲の流れと、光が織りなす素晴らしい競演。
「美しい」としか、言いようがない...
宇宙は、誰に見せるためにこの壮大な景観を作ったのでしょう。
そしてなぜ、人間がこれを見て美しいと感じるのか?
私たちの中の感覚は、どこか深いところで宇宙の真理と繋がっているのかもしれませんね。