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サーチライトで照らしたような領域が右から左に移動していくのがよくわかります。
2003年12月から2005年1月のほぼ一年の変化を見ていることになりますが、2枚の画像から作った動画ですので、その間の変化は、コンピューターにより補間されたものです。よって、正確な変化をあらわすものではありません。
ハッブル変光星雲は、その名のとおり星雲の明るさが変化する天体です。といっても、反射星雲なので、それ自身で明るさを変えているわけではありません。星雲の近傍にいっかくじゅう座のR星があり、その星の光の「あたり方」が変化するためです。この星雲の変化が宇宙の時間スケールとしては、非常に短い時間で確認できるのはそのためですね。物質の位置による変化は、もっとずっと時間のかかるものですが、光りの強さの変化、あたり方の変化は、物体の大きさに関係ありませんので、我々の時間感覚と同じスケールで起こることになります。
皆さんも太陽の光を鏡で反射させて、遊んだ記憶はあると想います。近くのものでも、遠くのビルでも光りが同じスピードで移動するのが痛快ですよね。手元でわずかに鏡を傾けるだけで、100m先のビルでは、何十メートルも光りが移動します。この動画で確認出来る変化は、そのような物だと想像します。
いろいろ調べたところ、このR星は、誕生して間もない星で、その周りには原子惑星系円盤が取り巻いていると考えられています。円盤の上下方向にはジェットが吹き出しており、その影が近傍の星雲に影を落としているというのが真相のようです。よって、場合によっては、数週間から数ヶ月でその変化を確認することが出来るようです。以下のサイトにも動画がありますので、ご覧になってください。
http://www.cc.umanitoba.ca/faculties/science/astronomy/cbrown/imaging/hvn/hvnanimation.html
http://www.cc.umanitoba.ca/faculties/science/astronomy/cbrown/imaging/hvn/fcanimation.html
これらの動画を見ると、ガスが吹き出しているように見えますが、実際にはガスが動いているのではないはずです。この距離とこの期間で、この動きをするとしたら、光速をはるかに越えているでしょう。星雲がちょうど巨大なスクリーンになっていて、R星から出るジェットの動きが投影されているのだと思います。R星近傍のジェットの動きが、拡大されて見えていることになります。
宇宙を動画で見るのは、とても新鮮で、驚きに満ちていますね。
まず、岡野邦彦さん、掲載の許可をいただきありがとうございました。
なぜ岡野さんの画像を使って、モーフィング動画の作成に至ったかを書いておきたいと思います。
まず、私がM1(カニ星雲)のモーフィング動画を作成しました。それをCAN(CCD Astronomy Network) の掲示板で公開したら、岡野さんに大変気に入ってもらえて、出来ればご自身で撮られた画像でモーフィングの変化を見てみたいということになりました。そのようないきさつで現在に至ります。このようなコラボレーションはとても面白いと感じました。
星雲の変化を示すモーフィング動画は、WinMorphというフリーソフトで作成しました。
Tipsのページで、このような動画の作成の仕方を詳しく書きましたのでご覧ください。 こちらからどうぞ ▼
今回は、日付が入った方が良いと思い、モーフィングで黒みが出てしまいますが、わざとそのままにしました。
元画像提供:岡野邦彦氏
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